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運動前のストレッチ(2)


前回のコラムでは、
運動前のストレッチを行うか否かは「時と場合による」という話をしました。
(コラム:運動前のストレッチ(1)参照)

今回は、ストレッチの「種類」「タイミング」「量」についてお伝えします。

ストレッチと聞くと、
ユーックリ伸ばす緩やかな柔軟体操だけを想像するかもしれませんが、

一言でストレッチといっても、実はたくさんの種類があります。

そこまで専門的に掘り下げても分かりにくいので、大きく2つに分けると
「スタティックストレッチ」と「ダイナミックストレッチ」があります。

ゆっくり筋肉を伸ばしていく静的なストレッチが
「スタティックストレッチ」

反動や弾みをつけながら筋肉をしっかり伸び縮みさせる動的なストレッチが
「ダイナミックストレッチ」

です。


この二つは、とても対照的なのですが、使い分けることがものすごく重要です。

運動前は、ダイナミックストレッチを行い、
筋肉の血流を良くしてあげることで、よりスムーズに体を動かすことができます。

股関節、膝、足首といった下半身の関節同士の連鎖を強くするためにも、
特に股関節周辺の筋肉を使ったダイナミックストレッチは、
安全にかつパフォーマンスを向上させるためにも重要とされています。

身体を動かしていない時間が長い場合は、動きの予行練習をするためにも
ストレッチは素晴らしいウォーミングアップとなります。


簡単な例でいくと、
ラジオ体操は運動前に行うウォームアップとして使えます。

ラジオ体操だけで終わってはもったいないくらいです!
ウォームアップとしてラジオ体操をしてから、スポーツやランニングをするのがいいですね。

逆に、スタティックストレッチに関しては、
運動前のタイミングで行わないほうが良いとされています。

スタティックストレッチをしすぎると、
筋肉内に存在する筋肉を収縮させるためセンサーがうまく働かなくなってしまうと言われています。

ジャンプなどの素早い動作を多く行う場合は、
スタティックストレッチの量を少し調整していくと良いですね。

しかし、フィットネスレベルで運動を行う場合は、
そこまで気にしなくても大丈夫です。

筋肉が固まっている状態で運動するほうがよっぽと危険です!

スタティックストレッチは、
運動後のクールダウンという捉え方をしましょう。

使った筋肉の緊張を和らげ、
明日への準備をするためにあるものです。

運動直後に行ったほうが良いですが、
シャワーを浴びたあとでも構いません。

時間をかけてゆっくりと行ったほうが、身体はリラックスできるでしょう。

他のストレッチコラムを参考にして、
張っていると感じる筋肉を丁寧に伸ばしてあげてくださいね。


運動前ストレッチの方法としては、
ランニングの場合軽く2-3分ジョギング程度のスピードで走って少しだけ身体を温め、

腸腰筋(股関節前)、ハムストリング(裏腿)ふくらはぎなどをスタティックストレッチで伸ばし、
その後股関節や太もも、ふくらはぎのダイナミックストレッチを行います。

ついでに肩回りなど上半身も行うと良いでしょう。

回数はそれぞれ8~10回1セット程度で十分です。
トータルでウォーミングアップには短くて5~10分、
長くて20分前後取るようにすると良いでしょう。


必要なストレッチを組み合わせて、
あなた自身のオリジナルプログラムを作っても良いかもしれません。

運動前のストレッチは、身体のウォームアップとしてとても重要です。

ケガを予防するためにもしっかり行いましょう!

また、運動後にも、
筋肉の長さを回復するサポートをするため、
やはりここでもストレッチを行いましょう。


自分の身体を労わるためにも、
運動前のストレッチは種類と量を考えながら十分に行うようにしましょう!


2015.9.4
プロフィール

全米アスレティックトレーナー協会(NATA)公認
アスレティックトレーナー(ATC)
PHIピラティスインストラクター
NASMパフォーマンスエンハンスメント
スペシャリスト
NASMコレクティブエクササイズスペシャリスト
井上 かなえ(いのうえ かなえ)

東海大学卒業後、アメリカネブラスカ大学オマハ校 大学院に留学しアスレティックトレーニング学において修士号を取得。 NATA公認アスレティックトレーナー(ATC)となる。
日米のプロ、実業団、大学、高校のバスケットボール チームにて専属トレーナーを歴任。
現在、東海大学男子バスケットボールSEAGULLSの アスレティックトレーナーとして活動する傍ら、 パーソナルトレーナーとしてトレーニングや機能改善 エクササイズ、ストレッチン グや栄養指導などをアスリートから一般の方まで幅広く行っている。

東海大学体育学部競技スポーツ学科非常勤講師
ヒューマンアカデミー東京校スポーツカレッジ
非常勤講師
セミナー講師など

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