世の中の9割の女性は、ハイヒールを正しい姿勢で履けていない!その共通点とは??
(インタビュアー小川)
●井上さんは、「痩せたい」という女性に対して、
どんなカタチでストレッチを活用していますか?
(井上さん)
痩せたいという女性のクライアントさんには主に、
骨盤や股関節のストレッチ、そして体幹トレーニングを教えています。
カラダのあらゆる不調の原因は、
股関節や骨盤を含めた、体幹に原因があります。
手や脚の部分だけ何かをするということは
ほとんどしないですね。
●骨盤や股関節の重要性は、
みなさんおっしゃられますよね。
痩せたいという人にとってもそれは同じなんですね。
そうですね、
特に女性には大事かもしれませんね。
美しいカラダづくりに、
ストレッチは欠かせません。
●それはなぜですか?
まず、カラダが硬いと代謝が低くなり、
太りやすくなります。
あとは、股関節周りの筋肉が硬くなると
可動域が狭くなり、運動効果が落ちます。
「二の腕をどうにかしたい、、」とか「太ももが、、」
という女性が多いのですが、
まずは根本原因の股関節や骨盤周りのストレッチ・トレーニングをしてもらいます。
脚や手が細くなるといったことは、あとからついてくるものなので。
●なるほど、それはかなり納得です。
脚の筋肉がいくら柔らかくなっても、その根本の股関節が硬いと
脚だけを使いすぎてしまうことになり、脚に負担がかかります。
股関節と骨盤のバランスが、全身のバランスに
大きな影響を及ぼすので、とても重要なんです。
女性は特に、ハイヒールを履くので、
バランスが崩れている人が多いですね。
●ハイヒールを履いているときって、
常につま先立ち状態ですもんね。
そうですね。
仕事柄、街中の歩いている人の姿勢をよく見てしまうのですが、
ハイヒールを履いている女性は、
背筋が反り、ひざが曲がっている女性が多いですよね。
こんな感じです。
前傾姿勢になり、首が前に出てひざが曲がる。
この状態で歩いている人をよく見かけます。
●これは、美しくないですね。笑
本来なら、お腹とお尻が重心になりカラダを支えるのですが
ハイヒールを履くとどうしても、ももの前の筋肉で
カラダを支えるカタチになってしまいます。
●本来、ハイヒールを履いているときの正しい姿勢は
どのような姿勢になります?
このように、
お腹とお尻で重心を保つ姿勢ですね。
この状態を保つには、腹筋とふくらはぎの筋肉が
ある程度必要になってきます。
私は、どうしても履かなければならないとき以外は、
なるべくハイヒールは履かないようにしています。
●ハイヒールはカラダに悪いんですか?
そうですね。
そもそも重心の位置が変わってしまうので。
正しい姿勢を保ちながら履きこなせれば良いのですが。
●ハイヒールでも、正しい姿勢をキープ出来る人はいますか?
ほとんどいないと思います。笑
バレリーナの方などはキレイですね。
●世の中の女性の何%くらいが、
正しい姿勢でハイヒールを履きこなせていると思いますか?
う〜ん、10人に1人いないくらいですかね。笑
●うわ〜〜そんなに少ないんですね!!
せっかくオシャレのためにハイヒール履いているのに、
姿勢が悪いと台無しですよね。
そうなんです。
美しく痩せたいという人は、
カラダのバランスを整えてから、トレーニングするべきなんです。
カラダのバランスが崩れているというのは、
前後左右の片側の筋肉だけ縮まったままの状態です。
まずはこれをストレッチで伸ばしてあげることが必要になってきますね。
●ストレッチで伸ばさずにいきなりトレーニングをすると
どうなってしまうんですか?
そうですね、
例えば、肩こりや猫背が気になりますという方がいたとします。
猫背の人は、胸の筋肉が縮んで硬くなっているのと、
背中の筋肉が弱くなっています。
この状態だと背中の動きが阻害されます。
大胸筋の筋肉をストレッチして、
正しい位置に戻してから、後ろのトレーニングをしないと、
肩が変に、すくんでしまったりします。
●正しい位置に戻してから、トレーニングしないと、
へんな状態で固まってしまうってことですね。
そうです。せっかく鍛えても、
正しい姿勢を取れないと、肩こりは改善しないですからね。
●やはり、姿勢が大事なんですね。
女性は腹筋が弱い人が多いので、
反り腰かつ首が前に出てしまっているんです。
肩こりや腰痛を良くするために
首や肩の後ろだけマッサージをしても、
首の前の筋肉を伸ばしたり、腹筋を鍛えないと
根本改善にならないんです。
●首の前側のストレッチは、
なじみがないですよね。
そうなんですよね。
女性で、首のに横ジワが入っている人いますよね?
20代でもけっこう増えているんです。
●年齢を重ねると自然に出てくるものなのかと思っていましたが、
姿勢が悪いと、20代でも首にシワができてしまうんですね。。
そうならないために、
特に女性は首のストレッチを習慣にしてもらいたいですね。
やり方としては、
肩甲骨のあたりを手で押さえながら、
このまま上を向いて伸ばしていきます。
首の前を伸ばして、首の後ろは縮める意識ですね。
●このストレッチは簡単ですし、
普段、首を伸ばすことって、
なかなかしていないので、効果が大きそうですね。
はい、オススメですよ。
●ではここからは、
先日、井上さんがコラムに書いてくださっていた
「ふくらはぎのストレッチと血流」についてお聞きしたいです。
簡単に説明しますと、
心臓から全身に血液を送るのは、心臓の強さが影響し、
全身から心臓に血液を戻すのは、筋肉の強さが影響します。
いわゆる動脈流と静脈流ですね。
●小学校で学んだ部分だと思いますが、
しっかり理解できていませんでした。笑
心臓の強さは一般の方ならそこまで個人差はないのですが、
筋肉の強さは、普段運動をしている人と、
そうでない人とでは差が出てきます。
動かしていないとどうしても筋肉は硬くなります。
運動している人で、脚がむくんでいる人はほとんどいないですよね。
静脈流のポンプとして重要な役割を果たすのが、ふくらはぎです。
ふくはらぎを少しストレッチしただけでも、静脈が流れやすくなります。
ストレッチによって伸ばされた筋肉は、そのあと縮むので、
自然と、ポンプ作用が働くんです。
1度のストレッチで、
驚くほどむくみが取れることもあります。
●むくみに悩んでいる女性こそ、
ストレッチをやるべきですね。
なんでまだまだストレッチを習慣にする人が少ないのでしょうか?
「ストレッチは良い」
という認識を持っている女性は増えてきていると思います。
ただ、実際にどうやっていいかわからない、
という方が多い気がします。
あとは、
「自分の状態がどれくらいマズイ状態なのかわかっていない」
というのもあると思います。
そもそも正しい姿勢がわからないので、
自分の今の姿勢が良いのか悪いのかもわからない。
本来、カラダが楽な状態が
わからなくなってしまっているのかもしれません。
ストレッチに対する知識もそうですが、
そもそも健康とはどういう状態なのか?
ということを知ることから始めないといけないですよね。
●おっしゃる通りだなと思いました。
そもそも良い状態がわからなくなってしまっている。
良い状態がわかれば、今の自分がマズイのかどうかもわかります。
危機感を感じれば人は勝手に動くので。笑
自分で気づいて、行動すれば、
加齢に関係なく、もっともっと健康になれますし、
子供の頃のようなエネルギーが湧き上がってくるはずです。
インタビュアー:小川敬司
場所:某フィットネスクラブ
全米アスレティックトレーナー協会(NATA)公認
アスレティックトレーナー(ATC)
PHIピラティスインストラクター
NASMパフォーマンスエンハンスメント
スペシャリスト
NASMコレクティブエクササイズスペシャリスト
井上 かなえ(いのうえ かなえ)
東海大学卒業後、アメリカネブラスカ大学オマハ校 大学院に留学しアスレティックトレーニング学において修士号を取得。 NATA公認アスレティックトレーナー(ATC)となる。
日米のプロ、実業団、大学、高校のバスケットボール チームにて専属トレーナーを歴任。
現在、東海大学男子バスケットボールSEAGULLSの アスレティックトレーナーとして活動する傍ら、 パーソナルトレーナーとしてトレーニングや機能改善 エクササイズ、ストレッチン グや栄養指導などをアスリートから一般の方まで幅広く行っている。
東海大学体育学部競技スポーツ学科非常勤講師
ヒューマンアカデミー東京校スポーツカレッジ
非常勤講師
セミナー講師など