日本初のストレッチ店を生み出した兼子さんが語る。「S字姿勢」はカラダのすべての不調を解決する。
(インタビュアー小川)●日本ではじめて、ストレッチ専門店を生み出した兼子さんから見て、
姿勢が悪くなる原因はなんだと思いますか?
(兼子さん)日本人はもともと農耕民族なので、
低い体勢になりやすいように、腰や膝がよく曲がる体質になっているんです。
DNAレベルで、姿勢が悪くなりやすい人種ということですね。
まずはここを理解しないといけません。
●農耕民族だから、ですか??
逆に、狩猟民族の西洋人は、背筋が立ちやすいんですよね。
●、、、これまでいろいろな方にインタビューさせていただきましたが、
その視点から回答いただいたのは初めてだったのでびっくりしました。笑
はははっ。
探究心で、姿勢やストレッチについてとにかく深く調べ尽くしていますからね。
膝が曲がりやすい体質の日本人は足が太りやすいので、
下半身太りの方が多いんです。
姿勢が悪くなりやすい日本人にとって、
良い姿勢を維持するための日本人ならではの文化があるんです。
●えっ、なんですかそれは?
和服・ぞうり・たすき掛け・まわしなど、日本古来のモノですね。
今ではどんどん失われているものです。
和服なんて究極の猫背矯正アイテムなんですよ。
和服を捨てたことが、日本人の猫背を増やした原因ですよ。
日本古来の文化が失われることは、日本人の姿勢にも大きな影響を与えているんです。
●もはや、ストレッチという概念を超えて、「日本人魂」とかそういうお話になってきますね!
日本の文化が失われていることと、姿勢が関係しているなんて、
考えたことなかったです。
デスクワークやスマホの影響でという、近年の部分しか見ていなかったです。
そういった原因の部分は誰でもわかりますよね。
もっと本質を見ていくことが、根本原因の解明と
対処法が見えてくると思うんです。
日本人と西洋人とでは、体質がぜんぜん違いますからね。
必要なストレッチも違ってきます。
西洋人は、胸を張って姿勢が良いのですが、
逆に背中を反りすぎて腰痛になってしまう人が多いです。
●日本人には、日本人のカラダに合ったストレッチがあるんですね。
そもそも、姿勢が悪いとどんな悪い影響がありますか?
筋肉のコリ、血行不良、疲れ、呼吸が浅くなる、集中力の低下、
などが起こります。便秘の原因にもなります。
便秘や生理不順に悩む女性はみなさん姿勢が悪く猫背ですね。
そしてもう一つ、姿勢が悪いことにより、
大きなダメージを受けるのが、脳神経です。
●脳神経ですか?
はい。脳からの指令が背骨の中枢神経を通って全身に伝わっていきます。
人間は背骨の流れで生きているんですね。
姿勢とメンタルはつながっているんです。
姿勢が悪いとうつ病になりやすいというデータもありますよね。
姿勢が悪いことにより、
あらゆるカラダの不調、精神的な病を引き起こし、
人間のポテンシャルを発揮できないことになってしまいます。
逆に言うと、姿勢を改善さえできれば、
いろいろなことが良くなっていきます。
あらゆる不調の原因が姿勢の悪さから来ていることが
わかり、行き着いたのが、
僕がスリーエスで提唱している「S字姿勢」です。
ここを目指すことにより、
猫背やO脚も自然と改善されていきます。
キレイなS字を描く姿勢は人間にとって理想な姿勢と言えます。
私は、姿勢改善の義務教育化、
ストレッチトレーナーの国家資格化を目指しています。
●義務教育化ですか?
美容と健康を目指す上で、
食事や運動を見直すことの前に、
まずは土台である姿勢にアプローチし、
日々の動作を正しいものに改善することが優先だと考えています。
●どんな正しい食事や運動をしても、
それを受け止めるための
「正しいカラダの状態」
が土台にないと意味ないですもんね。
その通りです。
そしてもう一つのテーマとして、
S字姿勢の文化を広めることで、
猫背が減ればうつ病が減り、うつ病が減れば労働者が増え、
その結果GDPが増える。
このサイクルをつくることです。
●すごい視点ですね。。。
人間がもともと持っている力を、猫背が半減させています。
S字姿勢を目指すことで、人間の本来の力を出し切れる状態にもっていきたいんです。
●ストレッチに関わるようになって、姿勢改善は一つの手段だと考えていましたが、
兼子さんのお話をお聞きしていると、姿勢改善は「ゴール」にするべきものだなと感じました。
ストレッチによって、お客さまをどこに導きたいのか?
その明確なゴールを持つことがストレッチ専門店に問われるところだと思います。
うちはそこが「S字姿勢」なんです。
●姿勢を改善するために、具体的にどんなストレッチをしていきますか?
先ほど、日本人は農耕民族だったために姿勢が悪くなりやすい
というお話をしましたが、
日本人の特徴は「呼吸筋」が硬くなりやすいことです。
●呼吸筋ですか?
そうです。西洋人は呼吸筋が柔らかく、たくさん息を吸える、
だから鼻が高いでしょう?
日本人は呼吸が浅い。
深い呼吸ができず、呼吸筋が硬くなってしまっています。
前屈で手のひらが地面につかないときに、
一般的には、もも裏やふくらはぎの裏をストレッチしましょうと教えます。
でもそれは間違っているんです。
日本人特有の呼吸筋の硬さに対してアプローチしてあげることのほうが
より効果的なんですよ。
試しに実践してみましょうか?
小川さんちょっと立ってみてください。
●いいんですか?お願いします。
まず前屈をしてみてください。
どれくらい地面についたから覚えておいてください。
はい、OKです。
一般的に、前屈で手が地面につくようにするために、
もも裏やふくらはぎをストレッチしますよね?
それが間違ってるんです。
●えっ!間違ってるんですか?
呼吸筋が硬くなっていることが原因のことが多いので、
ここをストレッチします。
呼吸筋はお腹の中心の部分にあります。
胸を張ってゆっくり息を吸ってください。
では吐いてください。
繰り返します。
お〜〜いいね〜吸って〜。
はい、吐いて〜〜。
さきほどと同じように前屈してみてください。
●え!?なんですかこれ!!笑
ペタって地面につきます。人生過去最高に地面に手がついてます。
呼吸筋のコリを少しほぐしてあげるだけでも
これだけ効果があるんです。
これが日本人に効くストレッチです。
●スゴすぎて、ポカーンッて感じです。
全国のストレッチ店のみなさんにお伝えしたいのが、
西洋人向きなストレッチだけでなく、東洋人向けのストレッチが
あるぞということを知ってほしいです。
日本人のカラダの弱点を理解し、
そこに合わせたストレッチをすることが大事なので。
インタビュアー:小川敬司
撮影:平田ちか
場所:スリーエス渋谷本店
【兼子さんの動画インタビューもあります!】
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スポーツストレッチング専門店SSS(スリーエス) 代表
新日本キックボクシング協会 日本フェザー級2位
兼子 ただし(かねこ ただし)
日本で初めてストレッチ専門店「スリーエス」を開業した
ストレッチ店業界のパイオニア。
趣味であったキックボクシングで、プロライセンスを取得し、
現在も新日本キックボクシング協会日本フェザー級2位の現役選手として活躍中。
独自で学んだスポーツストレッチをベースに、
スポーツ選手、プロダンサー、芸能人、モデル、一般の方まで
様々なクライアントを指導している。
また、姿勢教育ーSレッチング主宰を筆頭に、
小学校での姿勢教育、国士舘大学大学院との共同研究、大妻女子大学OMA講師を務める等、
スポーツ界だけではなく、様々な分野での活動も目覚しい。
スリーエスの累計来店数は約36万人を超え、
その技術の確かさが話題になり、マスコミやメディアへの出演も多数に及ぶ。数多くの書籍も出版。
情報
兼子ただしさんオフィシャルブログ
S字で日本は変わる!
http://ameblo.jp/ssskaneko/
SSS(スリーエス)HP
http://www.sss-groupjapan.co.jp/
兼子ただしさんfacebook
https://www.facebook.com/tadashi.kaneko.50