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カバー画像 基礎知識×ストレッチ

ストレッチ習慣のないコワさ


今回は、「なぜストレッチは必要か?」の基本的なテーマについて、です。

まずは、ストレッチとは何か? の確認です。

ストレッチとは、「筋肉の起始と停止を遠ざけること」と定義されます。
筋肉のはじっことはじっこを引き離すとストレッチになるよ、という意味です。

そして、筋肉のはじっこは骨についていますから、
筋肉が縮むという動作の繰り返しが骨を動かしてカラダを動かしています。

ですから、日常生活をおくる(カラダを動かす)ということは、
筋肉が縮んでくれるからできるもの、というわけです。

さて、縮んだ筋肉は、自ら伸びて元通りになるという性質は乏しく、

縮んだままの自分でいいんだもん、という現状肯定的性質が優勢です。

脳もこれに加勢して、「そうだよね、このカラダが君のカラダだよね」
と筋肉が縮んだままのカラダを承認してしまいます。

「私、カラダが硬いんです。。。」と言う圧倒的多数の人達は、脳にだまされているのです。

筋肉は本来プリンのように、猫やうさぎのように柔らかいものです。

腰が曲がった小さなおじいさんが亡くなったとき、
「棺桶に入るだろうかと?」と周囲が心配したけれど棺桶には大男があおむけに収まっていた、
という逸話があります。

亡くなる際に脳の呪縛が解けて曲がった腰が伸びたのです。

カラダが硬いと自負する中高年の男性が、温泉に入ったあと酔いつぶれて開脚してみたら
180度開脚ができてしまったという話を聞いたこともあります。

これは、アルコールがカラダを柔らかくしたわけではなく、
普段の意識(脳の呪縛)が解かれて本来の柔軟性が発揮されたのです。

普通の飲酒はかえって筋肉を硬くしますのでご注意ください。

「アルコールが筋肉を硬くする理由」をご参照ください。
(http://ameblo.jp/gokigen-stretch/entry-12020065626.html)

さて、筋肉の別の性質として、「縮んだ筋肉の反対側は伸びる」いとうものがあります。

ヒザを曲げると、腿裏(ハムストリングス)は縮んでいますが、
反対側の腿前(大腿四頭筋)は伸びているという具合です。

ですから、運動をして筋肉を大きく動かす習慣のある人は、
ストレッチ習慣があることにもなり、適度な運動量であれば、筋肉は良好に保たれます。

良好な筋肉状態とは、「伸びる方向にも縮む方向にもいきやすい弾力性を持っている」
ということです。

では、運動習慣もストレッチ習慣もない人が、日常生活で筋肉の縮む縮むを繰り返し、
30代半ばぐらいになるとどうなるのでしょうか?

何もしていないのに、なぜか腰痛が~! 肩こりが~!
という全身不調状態を嘆くようになります。

理由は、「何もしていないから」です。

筋肉は、30代半ばから減り始めます。

血流を促すポンプ機能、体温生産機能、骨格を支える機能、
カラダ(骨)を動かす機能のある筋肉は、「生命維持装置」と言われる
大切な役割を持つものですから、

その年頃になって、ノースポーツ、ノーストレッチ状態を続けることは、

まさに「自殺行為」です。

ここでスポーツと言いますと、

社会人の方は、

「ゴルフをやっています」
「走ればいいのですね?」
「筋トレをすればいいのですか?」
「正直、スポーツは好きではありません」
「何をやったらいいかわかりません」
「時間がありません」
「仕事で疲れすぎていて何もやる気が起きません」

などなど、ごっつい消極的な答えがかえってきます。

スポーツという言葉からイメージされる数々のとっつきにくさが
運動習慣の邪魔をしているようです。

さて、ここで、筋トレについて一言。

筋トレとは、「筋肉の起始と停止を近づけた状態に負荷をかけること」
と定義されますので、

筋肉を縮めてウェイトをかけろ、つまり、筋肉をますます縮めなさい、
というものが筋トレです。

筋肉が縮むことから不調を招いている一般の人にとって、
筋トレの前にやるべきことはストレッチなのです。

筋トレを即必要とする人は、入院していて筋力が極端に落ちてしまった人などに限られます。

ジムに通って筋トレして元気になりました!という人の話を聞いたことがありませんから。

筋トレの意味が「筋肉を縮む方向にも伸ばす方向にもバランスよく整える」
筋力トレーニングであるのなら、筋トレ大歓迎!ですけどね。

だったらどうしたらいいの~?!と絶叫したくなりますか?

だったらパートナーストレッチ!!

なのです。

長年のノースポーツ、ノーストレッチ状態でゆがみを生じつつ硬くなってしまった筋肉状態で
いきなりスポーツや筋トレを始めてしまうと、ゆがみが強調されて更なる不調を招いて
しまうことになります。

ゴルフのスイングで腰痛が悪化してしまうことがありますし、

サーファーのひとかきが肩関節を痛めてしまうこともあります。

ゴルフの場合は、普段腰が固まっている方向にスイングしてしまう結果の腰痛悪化ですし、

サーフィンの場合は、日常生活で内旋傾向が強くなる肩関節を、
ひとかきで更に内旋させてとどめをさしてしまうからです。

まずは、パートナーストレッチを受けて、強すぎる筋肉を緩め、
弱い筋肉を強めて、ゆがみのないバランスのよい筋肉状態を作ってから・または作りつつ、
運動習慣を身に着けて筋力低下を予防して頂きたいと思います。

左右バランスよくカラダを動かす、武道、ダンス、水泳、太極拳、気功などを、

疲労がたまりすぎない限度で、細く長く続けることをおすすめしますが、

ご自分が一番好きなスポーツにチャレンジして頂ければよいと思います。

何をするにしても、大切なことは左右バランスを意識してカラダを動かすことです。

筋量をアップさせる運動効果のあるものとして、

一日30分以上の速足ウォーキングは下半身全体を使うとても良い運動ですし、

エスカレーターやエレベーターを使わずに極力階段を使う、

自転車を手放して歩いて買い物に行く、
などの日々の地道な行動が積み重なると立派な運動効果(筋量アップ効果)を生みます。

スポーツや筋トレは心肺能力を要しますから、

まずはウォーキング(有酸素運動)で心肺能力を高めてから
筋トレ部門に取り組んで頂きたいと思います。

さて、パートナーストレッチのトレーナーを探す目安として、

自宅でできるセルフストレッチや筋トレの知識が豊富であるかを見てください。

たとえ定期的にストレッチ専門店に通われたとしても、
それだけで万全のコンディションが約束されるわけではありません。

万全のコンディションは、日々のセルフコンディショニングにかかっています。

週一回60分のパートナーストレッチを受けているとして、
次のセッションまでの一週間(167時間)をお客様がどう過ごすかが大切なのです。

ですから、その方法を伝えられるトレーナーと出会えたらラッキーです!

また、お客様を弛緩状態に導いてからパートナーストレッチができるか? 
もトレーナー探しの重要なポイントです。

そもそも、なぜセルフストレッチではなくてパートナーストレッチなのでしょう? 

まず、セルフストレッチで無理やり筋肉を伸ばそうとすると、
カラダは危機感を察知し、ストレッチさせまいとカラダを固めます(伸張反射と言います)。

セルフストレッチしても柔軟性がアップしない理由はここにあります。

伸張反射が起きない、カラダが弛緩した状態でストレッチが行えることに
パートナーストレッチの大きな強みがあるわけです。

ですから、お客様を弛緩状態に導けない、
または、そもそも弛緩状態が何かすら知らないトレーナーでは、
パートナーストレッチの効果を最大限引き出すことができないのです。

パートナーストレッチで、しっかりと弛緩感覚(脱力感覚とも言えます)を お客様に体感して頂くと、
お客様はセルフストレッチのコツもつかみやすくなります。

さらに、食事やメンタル管理も伝えられるトレーナーであれば申し分ないでしょう。

私もそんなトレーナーを目指しています!
今回は、「なぜストレッチって必要なの?」をお伝えしつつ、
「ストレッチ習慣がないってこわいよね。」
というリアルな現実をお伝えできていたら嬉しいです。


2015.5.8
玉生さんプロフィール
DRT整体
「アゲイン」 代表
パーソナルトレーナー
伊藤かおり

武道好きのスポーツ嫌い。
法政大学法学部卒業後、法律事務所、不動産会社法務
部、法律関連の翻訳など法律系の仕事に従事。

在宅翻訳者のオタクだった頃に武道にはまり、
無理なトレーニングがたたり重度の腰痛を患う。
中国整体、接骨院、鍼灸、カイロプラクティックなど
各種の治療院を渡り歩くが、なかなか完治せず。
自力整体、ストレッチ、気功、ヨガなど、自力で腰痛を治す方法を 模索し、数々のストレッチ方法を身につける。

その後、都内のストレッチスクール(2か所)で学び、
ストレッチ専門店にて勤務。
2012年6月プライベートストレッチ教室を開始。
2013年7月新大久保に教室を移転し、現在に至る。
都内介護予防教室の講師としても活躍。

資格・活動:
日本DRT協会認定マスターインストラクター
マッサージセラピスト
日本予防医学療術協会認定ヨガインストラクター
IHTA認定1級ヨガインストラクター
新宿未来創造財団レガス新宿スポーツ登録講師
日本コアコンディショニング協会ベーシックインストラクター
極真空手 茶帯
松濤館空手 黒帯

情報

玉野さま2



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http://drt-again.com

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