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カバー画像 基礎知識×ストレッチ

視野を拡げてストレッチ効果を高める。



周りが見えていなかったり、新しい事を取り入れるのを拒んだりすることを
「視野が狭い」と表現し、視野を拡げる事を良とします。


しかし、現代生活における視覚に関しての視野は、
狭めるシーンがとても多いです。


視野は2つの役割分担が果たされています。
1つが対象物を詳細に認識する「中心視」。
物体の色や形などを捉える役目をしています。


文章を読んだり、テレビを見たり、
何かに集中する様な時に使われます。


そしてもう1つが、対象を定めず全体を認識する「周辺視」。
物体の位置や運動などを捉える役目をしています。


何かをぼんやり眺めていたり、
考え事をして目的の無い状態で何かを見ていたりする様な時に使われます。


現代社会では、五感の中でも視覚に頼って生活していて、
中でも常に対象物に集中している状態が続いています。


それは良くも悪くも、精神を活発にさせ、身体を緊張させます。
忙しい人であれば、朝起きるや否やパソコンやケータイをチェックする事で視野を集中させ、
日中の仕事中はもちろん、寝る間際までテレビやWebを観ていたり、本を読んでいたり、
1日中何かに集中させている状態が続いている事でしょう。


これでは、眼への負担だけでなく、心身ともに休まりません。


前回の私のコラム『シーンに合わせた効果的なストレッチは、
普段と反対の動作を行う』で「普段と反対の動作」がポイントであると触れました。


これは視野にも言えます。


何かに集中して「中心視」の状態が続いている場合、
ぼんやりと辺りを見渡したり、遠くの景色を眺めたりして、
対象を定めずに「周辺視」の状態を作ってみると、心身共に休まります。


パフォーマンスが高まる事もあります。


私も仕事の現場ではクライアントにストレッチなどの施術を行いますが、
その際は、この「周辺視」を使います。


例えば、クライアントの特定の部位の筋肉を伸ばすストレッチングを施す時、
その特定の筋肉に視線を集中しがちです。


良いストレッチングを施す場合、術者であるトレーナーが緊張していては、
クライアントにも緊張が伝わり、良い施術を提供する事が出来ません。


自分自身の緊張を感じた時になど、ふっと視線をゆるめ、
クライアントの身体全体をぼんやりと見る様にします。


すると自分自身の身体の緊張が取れ、
施術のパフォーマンスが上がります。


どの様な仕事でも周りが見えなくなってはいけませんね。


ちょっと視野を変えてあげるだけで、
顔の表情、体つき、歩き方まで変わって来ます。
そして、心身ともに休まります。


ご自分でストレッチを行う時も、
視線は対象物を定めず、ぼんやりと辺りを眺めながら行うと効果的です。


“視野を拡げて”ストレッチ、してみてください。


2015.2.1
プロフィール

全米ストレングス&コンディショニング協会認定
ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
米国Rolf Institute®認定Rolfer™
日本関節コンディショニング協会ストレッチング講師
大久保 圭祐(おおくぼ けいすけ)

フリーランスのパーソナルトレーナーとして活動。
身体への探求心から、
アメリカ生まれのボディワーク“Rolfing®”に
惹かれ、渡米してRolf Institute®を卒業する。
トレーニングやエクササイズ、ランニング等の運動
処方、ストレッチングやRolfing等の手技を使って、
クライアントの要望に応える。
幅広い技術と知識だけでなく、プロキックボクサーやモデルとして活動した経験、
数々のマラソン大会の出場経験など、自分自身の
実体験を大切にしている。

情報

大久保さん本

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