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肩こりに効果の高いストレッチングメニュー


インターネットやテレビ、雑誌、書籍で
「肩こりに効くストレッチ」が数多く取り上げられています。

そこで紹介されている肩こりに効果のあるとされるストレッチは
「肩のつらい部分を伸ばす」ストレッチです。


それなら、どれも一緒?・・・いろいろな方法があって分からない!ですよね。

今回はつらい部分だけをただ伸ばすだけではなく、
「簡単」「安全」「確実な効果が期待できる」ストレッチメニューを紹介します!

その前に「肩こり」について少しお付き合いください。


そもそも肩こりとは?


「標準整形外科学」によると

  後頚部から肩および肩甲背部にかけての筋肉の緊張感や疲労感などの
  一部の不快感・違和感・鈍痛などの症状と考えられる。

   肩こりは原因不詳の「本態性肩こり」と原因が明らかな「症候性肩こり」に大きく分類される。

 ●症候性肩こり
  症候性肩こりの原因疾患としては頸椎疾患・胸郭出口症候群・肩関節疾患などの整形外科的
  疾患のみならず、肺疾患・心疾患など内科・外科領域や頚部緊張を促しやすい耳鼻咽喉科領
  域・眼精疲労や視力障害などの眼科領域自律神経や免疫系の過敏状態を引き起こしやすい精
  神神経科領域、歯科領域、心因性要素も存在する。
  症候性肩こりでは原疾患の特定とそれに対する治療を行うこととなる。

 ●本態性肩こり
  本態性肩こりを訴える代表的な部位は僧帽筋・肩甲挙筋・菱形筋などの分布領域であり病体
  の一つとしては頭部および上肢を支えている肩甲帯周囲筋の筋肉疲労が挙げられる 

難しい説明ですが、わかりやすくいいますと、
肩こりは「症候性肩こり」「本態性肩こり」の2つに分けられるということ。

そして、原因がハッキリしているものが「症候性肩こり」、
原因が特定できないものが「本態性肩こり」です。

一般的な「肩が凝ってる」と感じる肩こりは、本態性肩こりの場合が多いのですが、
本態性肩こりであればストレッチで改善できる見込みがあります。
※重度な肩こりではストレッチだけで不十分な場合もあります。


お待たせしました!肩こりに効果的なストレッチ方法


ストレッチには、大きく分けて3種類ございます。

・static stretch(静的ストレッチ) 
 ➡反動を使わずに目的の筋肉を伸ばすストレッチです。

・dynamic stretch(動的ストレッチ)
 ➡筋肉を収縮(縮み)⇔弛緩(伸び)させ、動きの中で行うストレッチです。
※動的ストレッチには他にballistic stretchもありますが
dynamic stretchとほぼ同じととらえて問題ありません。


 一般的なballistic stretchは静的ストレッチの状態で反動をつけて行うストレッチです。


・PNFストレッチ
 筋肉を最大収縮(縮み)から弛緩(伸び)させるストレッチです。


今回ご紹介するのは、
これら3つのストレッチを組み合わせたストレッチメニューになります!
しかも、たったの1分で出来ちゃいます。

肩関節や首に痛みが出る場合は行わないでください!
くれぐれも無理はしないようにできる範囲内で行いましょう。


1) 肩をグーッと上にすぼめて力を入れて・・・
  (この時に顎は引かず、やや遠くを見るように少しだけ上を向いてください)

2) 一気に脱力します。これを2~3回行います。

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3) 背伸びをして手をなるべく上に伸ばすように力を込めます。
   この時もやや上を向く意識を持ちます。
   両腕を耳の後ろにつけるように力を込めると同時に肩甲骨の外側を伸ばしていきましょう。
   (肩関節が痛む場合は無理はしないでください)

4) その後、両肘を後下方に寄せていき、左右の肩甲骨を近づけるように力をいれます。
   これも2~3回程繰り返します。


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5)脇の下から背中にかけての筋肉(図の赤い部分)をストレッチします。
肩こりに関係が無いと思われがちの筋肉ですが、このようにつらい部分ではない
筋肉の硬化が肩こりへと繋がってしまうのです。

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四つ這いになって腕を頭上にあげていきます。
この時も肩甲骨を中心に寄せるように意識します。
腕の付け根と胸が伸びるのを感じてください。
10秒を2~3セット程。

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デスクでは左の写真のように応用することもできます。
ご家庭はもちろん、オフィスでのデスクワークの合間に是非お試し下さい。

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6)
最後に腕を大きく回します。
前回し後ろ回し5回ずつです。この時も下向かず、やや上を向くくらいの意識で行ってください。
この時に、気をつけるべき大切なポイントがあります!

・両腕同時に行う。 ・肘を耳の高さまであげる。

この二点を抑えることで高い効果が期待できます。
このメニューを行い、肩甲骨の周囲や背中がスッキリした感じがあればOKです。

※当院のHPでも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は一読いただけましたら幸いです。
http://gohongi-katakori.com/selfcare-stretch


実際に試された方は、効果を実感していただけているはずですが、
まだ試されていない方で、
本当に効果あるの?とお思いの方もいらっしゃることでしょう。

そこで、肩こりにダイナミック・ストレッチが有効であることを決定づける
文献を紹介しておきます。


『〜筋ストレッチング法の違いが筋血液量に与える影響〜
酸素化ヘモグロビン(新鮮な酸素が含まれたもの)変化量(安静時値とストレッチング後の値との差)は,
ダイナミックストレッチではスタティックストレッチと比較して有意な増加を認めた。
しかし,脱酸素化ヘモグロビン(酸素が含まれてないもの)の変化および頚部側屈可動域,筋硬度には有意な差を認めなかった。』
https://confit.atlas.jp/guide/event/jpta49/subject/0326/date?cryptoId=より引用させていただきました。


簡単にまとめると首・肩の筋肉にstatic stretch・dynamic stretchを行った後の
変化を調べたところ関節可動域や筋肉の硬さには大きな差はなかったが、
新鮮な酸素の量はdynamic stretchの方が多かったと言うことです。
(新鮮な酸素が増えている=血流が良くなった)

今回ご紹介したストレッチメニューにはdynamic stretchも含まれてます。
今まで基本だった静的ストレッチに加えて動的ストレッチも行うことでより高い効果が期待できるのです。

今回のコラムのポイント


・肩こりには種類があり、ストレッチなどで改善するのは「本態性肩こり」

・静的ストレッチよりも動的ストレッチの方が肩の筋肉の血流改善効果は高い。

肩こりは原因が様々です。ですので、その原因にあった対処をすることが解消・予防となります。

今回ご紹介したストレッチは、実際に肩こり治療でも取り入れているストレッチです。
肩こりにお悩みの方、ぜひ一度、試して下さい。
少しでも楽になった、と感じていただけたら幸いです。


2015.1.20
プロフィールリサイズ

肩こり研究所 鍼師・灸師
鴻崎 國臣(こうざき くにおみ)

早稲田速記医療福祉専門学校にて国家資格を取得。
教科書による二次元ではなく、実際の三次元での人体構造を理解するために東京女子医科大学の解剖学教室にて解剖学を学ぶ。
治療を重ねるにつれ、まだ知り得ない人体構造があることに気づき、千葉大学医学部の解剖学教室にて学生時代とは異なる観点からリアルな解剖学を学ぶ。

肩こり研究所では鍼・マッサージ・ストレッチなどで単に「コリをほぐす」「筋肉をゆるめる」だけではなく、運動療法や日常生活動作改善などあらゆる視点から治療を組み立て「肩こりを生じさせない体に生まれ変わる」をゴールにしている。

取得資格
厚生労働省認定 鍼師・灸師

情報

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肩こり研究所HP
https://gohongi-katakori.com


鴻崎國臣さんfacebook
https://www.facebook.com/knom.ooo.om

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