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筋膜リリースとダイエットの関係性は「眠っている筋肉を起こす」こと


(インタビュアー小川)●そもそもロルフィングとはなんですか?

(大久保さん)ロルフィングの大きな特徴は、ストレッチと違い、
筋肉ではなく「筋膜」にアプローチする点です。

●筋膜ですか??

はい。
筋膜とは、文字通り、筋肉を包む膜です。
大きく分けると、筋繊維を包む膜と、筋肉や内臓などをそれぞれの位置に配置する全身を包む膜があります。

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イメージしやすいように簡単に言うと、
ソーセージの周りの皮のように筋肉を形作っていたり、全身タイツのように全身を覆っているのが筋膜です。
その筋膜の状態が悪くなると、筋肉にも悪影響が出てきます。

筋膜の状態が悪いというのは、全身タイツの一部だけヨレヨレになっていたり、
逆に一部だけキツすぎて引っ張られているのと同じような状態です。
バランスが崩れた筋膜に対して、特殊な手技で整えていきます。

●ストレッチとロルフィングの違いについて簡単に言うとどうなりますか?

ストレッチは「筋肉」にアプローチをする
ロルフィングは「筋膜」にアプローチをする。

まずはこの違いですよね。

ストレッチは筋肉を伸ばす
ロルフィングは筋膜を緩める、開放させるというイメージですね。

●「筋膜の開放」というワードは初めて聞きました。
イメージが難しいですね。

なじみがないですもんね。

例えば、筋膜同士がくっつくという状態が起こります。
筋膜同士がくっついてしまうと、筋肉の動きが制限されてしまいます。
それを手技によって緩めたり、剥がしてあげることを「リリース=開放させる」と言います。

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スーパーのレジ袋をイメージするとわかりやすいかもしれません。
レジ袋が筋膜で、野菜やお肉が筋肉や内臓だとします。

筋膜(レジ袋)に包まれた筋肉(野菜やお肉)の位置を、
筋膜(レジ袋)を引っ張ることで位置を調整するというイメージです。

クライアントのカラダの状態によって、
ストレッチとロルフィングを使い分けていきます。

●スーパーのレジ袋の例えもわかりやすいです。
ロルフィングは、具体的にどんな方法で施術するんですか?

ストレッチングよりも繊細な手技です。
一部分の筋膜に圧を加えて、持続的に平行に移動させて熱を産み出し、
組織の粘度をコントロールして伸ばすというような、繊細な施術をしていきます。
ストレッチングではクライアントはリラックスして寝たままですが、
ロルフィングでは、施術部分を自分で動かしてもらう場面も出てきます。

●ここからは、ダイエットについてお聞きしていきたいんですが、
大久保さんは、ダイエットしたいクライアントさんに対して、
どういったアプローチをしますか?

エネルギーの消費を増やして摂取を控えるのは基本です。
僕は栄養学や食の知識は専門ではないので、
あくまでも、運動と手技を使って代謝を上げるアプローチをしていきます。
代謝を上げるために

・筋量を増やす
・眠っている筋肉を起こす

この2つを意識しています。

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代謝を高めるには、筋肉の量と質を上げることが必要で、
そのために、トレーニングやストレッチを行います。

寝ている筋肉を起こすには、
「筋肉の可動域」
を広げることも鍵になってきます。
そのためにストレッチやロルフィングを行います。

●筋膜リリースがダイエットに効いてくるんですね。

特に女性は、あまり筋肉をつけずに痩せたいという方が多いので、
刺激が軽い運動やトレーニングで効果を出すために、
「眠っている筋肉を起こす」ことが大事になってきます。

その中で、ロルフィングでは

「身体の内側に意識を向ける。」

ここを大事にしています。
物理的にカラダにアプローチするだけでなく、その人の「意識」にもアプローチします。

●どうやって意識にアプローチをするんですか?

施術やカウンセリングの中で、
その人のカラダの状態や変化をしっかり伝えていき、

「気づきや関心」を得てもらいます。

先ほどのお話で出た、「眠っている筋肉を起こす」はまさにここで、
これまで動かせていなかった筋肉に対して、僕たちが感覚を伝えることで
「ここの筋肉はこうやって動かすんだ」という気づきや関心を得てもらうことができます。

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自分の筋肉に対する意識を持ってもらうことで、
もともと動かせていなかった筋肉を動かせるようになり、結果的に代謝もアップします。
そうすれば、同じ運動量でも痩せやすくなりますよね。

施術だけでなく、
カラダの使い方、感覚も教えていくのがロルフィングです。

●なるほど、意識することで、カラダの変化も感じやすくなりますよね。
ストレッチとロルフィングはどう使い分けをされるんですか?

動きが出にくくなっている原因が、

筋膜がくっついてしまっていることが原因の場合はロルフィングです。
筋肉が硬くなってしまっていることが原因の場合はストレッチですね。

その人の状態によって選択出来ますし、両方必要な方もいます。

●筋膜がくっついているというのは、どうやって調べるんですか?

直接触って調べたり、簡単な動きを見て調べます。

●ロルフィングの筋膜リリースを、僕にやってもらうことって可能ですか?

可能ですよ。では取り組みやすい足首をやってみましょうか。
膝くらいにズボンをめくって仰向けに寝てもらっていいですか?

●はい。

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足首の動きが制限される原因の1つ、
すねの周りの筋膜を狙います。ではいきますね。

まず片方の手で、すねの上から垂直に圧を加えるように押さえます。
その状態で、圧をそのままで、ゆっくり平行に移動させて筋膜を伸ばします。

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●スーパーのレジ袋を引っ張る感覚ですね。

そうですね。
クリームとかないので、ちょっと痛いかもしれません。
小川さん、足首を動かしてもらっていいですか?

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●けっこう痛いですね。笑
はじめての感覚です。

筋膜をゆっくりと伸ばしている時に、小川さん自身も「すねに筋肉があるんだ」
という感覚や意識をミクロなレベルで得ましたよね。
そして、すねの筋肉が硬いこともわかりましたね。
そうすると本能的に「すねの筋肉を柔らかくしなければ」と自覚しますよね。

●これはストレッチとはまたぜんぜん違った施術ですね。
ものすごく繊細な手技ですね。

そうですね、
このロルフィングの資格を持っている者をロルファー™といい、日本では120人ほどしかいないです。

●そんなに少ないんですね!
あ、すねが柔らかくなってますね!ぷにぷにというか弾力がでてきました。

小川さんのすねは相当硬くて張ってましたからね。笑

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●大久保さんのお話をお聞きして、
ストレッチやトレーニングで物理的に筋肉を改善するだけでなく、
「自分で意識を持つ」ことも一緒にやっていくことが大事なんだなと学びました。
そしてそれは、自分一人だと難しい。
だからこそ、パーソナルトレーナーの存在価値として、
「実際に使える感覚を教えることができる」ここにあると感じました。



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インタビュアー:小川敬司
撮影:平田ちか
場所:ランニングステーション「earth」
プロフィール

全米ストレングス&コンディショニング協会認定
ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
米国Rolf Institute®認定Rolfer™
日本関節コンディショニング協会ストレッチング講師
大久保 圭祐(おおくぼ けいすけ)

フリーランスのパーソナルトレーナーとして活動。
身体への探求心から、
アメリカ生まれのボディワーク“Rolfing®”に
惹かれ、渡米してRolf Institute®を卒業する。
トレーニングやエクササイズ、ランニング等の運動
処方、ストレッチングやRolfing等の手技を使って、
クライアントの要望に応える。
幅広い技術と知識だけでなく、プロキックボクサーやモデルとして活動した経験、
数々のマラソン大会の出場経験など、自分自身の
実体験を大切にしている。

情報

大久保さん本

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